(農業情報研究,15巻4号,413-422頁,2006)

画像処理による食品包装シール部の噛込み検出に関する研究

-アルミ包装のシール部噛込みの検出 

中野和弘・窪田陽介・臼井善彦・本間克美・邊見ゆかり


要 旨

 食品包装のシール部分における噛込み検出を目的に,画像処理による非破壊検出アルゴリズムを検討した.本研究では,アルミ包装の無着色(銀色),着色(橙色)を供試材料とした.得られた包装シール部の画像データ(24bit)について,カラー画像の色成分(R,G,B:各8bit)の分離,判別対象領域決定,FFT,周波数に基づくノイズの除去,IFFT,2値化処理により,シール部の噛込み画素を抽出した.抽出された噛込み画素数により,噛込み包装の判別を行った.無着色包装の噛込み包装の判別では,R成分の画像を用い,2値化処理の輝度閾値を判別分析法により算出した輝度閾値15と輝度閾値8に設定した結果,判別率は100%であった.着色包装の噛込み包装の判別では,B成分の画像を用い,2値化処理の輝度閾値を判別分析法により算出した輝度閾値28と輝度閾値11に設定した結果,判別率は100%であった.本研究で構築した画像処理アルゴリズムにより,食品包装のシール部分における噛込み検出が可能であることが示された.



戻る