(農業施設,38巻3号,167-174頁,2007)

炭窯排熱のハウス栽培への有効利用に関する研究(第2報)

-炭窯排熱による利用可能熱量の周年利用法の提案と評価-

大橋慎太郎・中野和弘・齋藤貞文・楊 迪桂


要 旨

 積雪寒冷地域の農業活動におけるエネルギー需要について算出した結果およびエネルギー供給として製炭工程からの利用可能熱量を算出した結果を基に,ローカルエネルギーの利用効果について熱エネルギーの観点から評価した。評価にあたってローカルエネルギーを周年にわたり利用できる栽培システムを提案した。すなわち,吸収式冷凍機を用いた冷暖房システムの導入である。取得した冷温水による冷暖房負荷代替率とタンク容量および循環水量の関係を明らかにし,システム設計における最適条件を決定した。また,本システム導入による利用効果を冷暖房負荷代替率として評価した。その結果,提案するローカルエネルギーの周年利用栽培システムは,現行における石油消費量削減,栽培コスト低減に貢献するものであると評価された。



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