(農業情報研究,10(1),25-36,2001)

地域農業情報ネットワークシステム構築に関する研究(2)

-地域内資源共有型Web農業簿記システムの構築-

平石 武・中野和弘・町田武美


要 旨

 これまでの地域農業情報システムの情報提供内容は,主に気象・市況・栽培技術関連などの情報をFAXやインターネットなどにより検索・閲覧し,農業者が引き出す一方向通信の形態がほとんどであった.しかし,本来インターネットが持つ双方向で様々な資源を共有できるメリットを生かした新しい情報システムを構築することが,地域情報システム構築において重要である.

 本研究では,インターネットを利用した簿記システムにより,農業者と農業団体双方からの提供情報,既存のソフトウエア資源や地域内に存在するデータ資源,また簿記記帳代行者や簿記指導員などの人的資源などを共有し,それらを効果的に組み合わせ、データの一元化によって地域内のすべての農業者が一つのシステムで経営管理を行うことができる資源共有型のWeb農業簿記システムを構築した。このシステムでは,情報提供を主体としてきた従来の利用形態のみでなく,ソフトウエア自体を提供することにより双方向性を重視し,データ統合と資源共有による高度地域情報サービスの可能性を示した.



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