今日,世界人口は増加に伴い,食糧の安定供給が重要視されています.東南アジアのデルタ地帯は,コメの主要な生産地である一方で,その地形的特徴から塩水の被害に対して脆弱です.塩水の被害への有効な対策として水利施設の適切な操作があります.しかし,アジアの一部地域では管理者が勘や経験によって水利施設を操作しているため,未曾有の気象イベントが発生した場合の対応が困難になる可能性があります.したがって,水利施設の弾力的な運用の支援には,数時間後の塩水遡上を瞬時に予測できるシステムが求められます.これらの課題解決のため,実測値を学習データとして,塩水遡上をリアルタイムで予測可能な機械学習モデルの構築に取り組んでいます.
