配水槽式自然圧パイプラインシステムのハンチング防止対策の確立

近い将来,高温や干ばつの発生により,水資源が逼迫することが懸念されている.さらに,近年,エネルギー価格の高騰や地球温暖化の進行より,省エネルギーで環境配慮された用水供給システムの導入が検討されている.その一つとして注目されているのが低平地での「配水槽式自然圧PLS」であり,これまでの研究でその節水効果や省エネ効果は定量評価されている.しかし,配水槽式自然圧は施工時点での用水計画流量に基づいて設計されるため,将来的な圃場整備などの影響により過剰規模となってしまうリスクがある.そこで本研究では,水系全体の将来計画を考慮して配水槽式自然圧PLSを導入した場合の造成コストおよびCO2削減効果について,数値シミュレーションを用いて算定することを目的とする.また,得られた削減効果に基づき,配水槽式自然圧PLS導入の妥当性や将来的な必要性について検討することで,戦略的に造成していくことを目指す.