水田の雨水を貯留する機能を高める取り組みの一つとして,「田んぼダム」があります.田んぼダムとは,流域内に広がる水田の排水口に落水量調整板を設置し,大雨時に水田に意図的に雨水を貯留することで,洪水の緩和を図るという取り組みです.しかし,田んぼダムは効果の発現規模が流域によって異なるため,田んぼダム導入の前にそれらの把握が求められています.田んぼダムの効果の定量的な評価は数値解析によって可能ですが,煩雑な作業が伴うため,すべての流域を数値解析によって評価することはほぼ不可能です.従って,田んぼダムの戦略的な普及には簡便な評価手法を用いて田んぼダムの効果を事前に評価し,その結果に基づいた取り組み地域の戦略的な拡大が重要です.本研究では,排水機場で排水している流域において,地形情報を取り入れた田んぼダムの新たな簡易評価手法を開発しています.
