スマート水管理機器を用いた農業用水の需要実態調査

近年,気候変動の進行に伴い,降水の時空間分布の変化や蒸発散量の増加により,利用可能な水資源の減少および不安定化が懸念されている.このような状況に対応するために,圃場の需要に応じて弾力的に用水供給可能な配水手法の開発が求められている.
上記配水手法の実現のためには,用水需要実態の把握が鍵を握る.しかし,農業用水の需要実態を把握する研究は1980年代が中心であり,近年の農業構造の変化を反映したデータは限られている.
農業用水の需要を正確に把握するためには,多数の水田耕区で取水量のデータを収集する必要があるものの,膨大な時間と労力を要するため,実態調査の実施が困難なためである.
現在普及が進んでいるスマート水管理機器の記録データを用いて,水田の用水需要実態の定量的な把握を試みる.本研究では,スマート農業を推進している北海道岩見沢市を対象地として,農家属性及び作付け品種ごとの用水需要実態の経時変動を把握する.