超音波技術を用いた環境評価

 農業生産基盤の近代化は、農業の生産性の向上、農業構造の改善に大きく寄与してきました。その一方で、土地改良事業により、水路のコンクリート化が進み、水田や河川等の水系のつながりが失われ、生物の生息・生育の場としての機能が低下してしまいました。近年、国民の環境に対する関心が高まる中、2001年に土地改良法が改正され、環境との調和に配慮した保全整備が義務付けられました。しかし、その効果を定量的に検証する手法が確立していないのが現状です。
 こうした問題を解決するため、農業水利学研究室では、本来、胎児の様子を確認するために利用される超音波エコー装置(プローブ)や淡水魚探査装置(水上版ドローン)を用いて農業水路内の魚類の存在密度を評価する手法の開発が進められてきました。