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 我が国の食料自給率は極めて低く、欧米先進国がこの半世紀に食料自給率を引き上げてきたのに対し、我が国はカロリーベースで1960年の74%から2020年の38%にほぼ半減しています。安価な外国産飼料に畜産が依存することも原因ですが、食の多様化に伴って、米から小麦に、蔬菜から食肉に消費パターンがシフトしたことが大きいといえます。国内人口の減少、とりわけ中山間地域の過疎化・高齢化の進行などの要因も手伝って、耕地面積とくに水田面積は減少し続けています。我々はこの状況に甘んじていてよいのでしょうか。
 世界人口は2050年までに97億に達する見込みですが、一方で、世界の農地面積の増加はほぼ横ばいで、土地生産性の向上によって穀物生産量は1.7倍増加すると推計されているものの、人口増加に見合うものではありません。また、地球温暖化に伴う気候変動によって旱魃や洪水の頻度が高まることが指摘されており、主要輸出国で不作が続き、輸入が滞る自体が発生した場合、我が国の食料供給に深刻な影響が及ぶ可能性は高いといえます。これ以上の農地面積の減少を食い止めることは、国民の生命を守るという国家の基本的で最大の命題であると言えます。
 水研は、これからの我が国の農地資源の保全を大きな目的に、生命ないし農業に欠かせない「水」という切り口で幅広い研究テーマに取り組んでいます。

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