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ー土は我々を支え、命をはぐくむ存在であるー 水土機能工学研究室は大地に敬意を持ち研究しています。

新潟大学 農学部

〒950-2181 新潟県 新潟市 西区 五十嵐2の町 8050番地

科学研究費助成事業/科研費Grant-in-Aid for Scientific Research

現在行っている研究


2013-2015年
科研費(基盤A)
「キャピラリー・バリア盛土による放射性廃棄物・汚染物質の長期貯蔵保管工法の提案」
Cotents...
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キャピラリーバリアについて 

土のキャピラリー・バリア機能を利用した節水かんがい農業の開発

キャピラリーバリアを利用した盛土形式の廃棄物処理施設

現在行っている研究の進捗状況 

キャピラリーバリアとは?


キャピラリーバリア(Capillary barrier, CB)は、日本語で「毛管障壁」と訳されます。
土粒子においては、粒径が異なることで保水力が変わってきます。

砂層とその下部に礫層を重ねた土層地盤では,両層の土粒子の相対的な保水性の違いに由来するキャピラリー・バリア機能により,境界面の上部で降下浸透水が遮断され,貯留されます。


キャピラリーバリア模式図




境界面を水平状にして根群域に応じた深さに敷設すると,集積した水は植物生育に有効に利用されます。

このキャピラリーバリア機能の身近な例としては、鉢植えがあります。
鉢植えの底には粒径の粗い礫などを敷き詰め、その上に培養土を入れます。
これは、水はけを良くして根腐れを防ぐとともに、水を土の中に効率よく貯めることが出来ます。

キャピラリーバリア機能の身近な使用例



また、古くからキャピラリーバリアが利用されている例としては、古墳があります。

古くからの利用例




「土のキャピラリー・バリア機能を利用した節水かんがい農業の開発」について


地球温暖化問題を契機に,農業生産性の向上と環境保全を両立しうる,持続的な農業・農村開発が強く求められています。
本研究では,土のキャピラリー・バリア(毛管障壁)機能を利用した,節水かんがい法の開発に取り組んでいます。
用いる材料が砂と礫であるため,廉価でかつ環境調和性に優れており,特に半乾燥地域や荒蕪地帯における小規模かんがい農法として展開が期待できます。




「キャピラリーバリアを利用した盛土形式の廃棄物処理施設」について

従来の廃棄物の埋設処理方法では、雨水の3〜5割は廃棄物層(ごみ層)に浸入し、汚染水となって排出されてしまいます。また、水処理施設は、最終処分場閉鎖後も20年程度は継続して運転させなければなりません。

ゆえに、最終処分場における水処理関係費用は、建設工事費の2倍にもなります。
浸出水を抑制することは、環境汚染のリスクを低減するとともに、処分コストの縮減の両面において重要です。

本研究室では、「キャピラリーバリアを利用した盛土形式の廃棄物処理施設」の検討について行っております。
自然材料で造るキャピラリーバリア型覆土は、浸出水を長期にわたって制御できるため、安全で経済的技術です。
これは、環境適応型覆土技術ともいえます。


盛土形式模式図





現在行っている研究の進捗状況についてについて

平成25年度

  • 「キャピラリーバリアを利用した盛土形式の廃棄物処理施設の提案」に関すること

ビニールハウス内に降雨装置と傾斜地盤を造設し、キャピラリーバリアの限界長測定試験を行う予定です。ビニールハウスは新潟大学農学部圃場にあります。

ビニールハウス外観

このハウスの中にCB用の傾斜地盤があります















内部の様子
単管で組まれた足場の上に降雨装置があります。

傾斜地盤は研究室総出で整地し、5°の傾斜を設けました。

傾斜地盤は幅3m長さ10mあります。











傾斜地盤にCBを敷設した木枠を設置しました。
こちらは室内実験のため、傾斜地盤全体をCBにしてしまうわけではありません。


木枠の材料は全てホームセンターでそろえ、手作業にて作成・組み立てを行いました。





















降雨装置からの雨滴で充填した砂礫が抉られてしまわないように、表面を晒(サラシ布)で覆いました。写真はちょうど降雨装置を作動させているところです。

























  • 「土のキャピラリー・バリア機能を利用した節水かんがい農業の開発」に関すること

こちらの実験も、ビニールハウス内にて行なわれています。CBの有無による地下水の影響を調べています。


ビニールハウス内でのみずなを使用した実験

2013年10月25日撮影

















バナースペース

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