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森林遺伝育種学研究室は、森林遺伝学および林木育種学が専門です。

林木育種学は樹木の品種改良や種苗生産などに関わる学問分野、森林遺伝学は森林を構成する植物の遺伝的な特徴(遺伝的多様性や花粉の動きなど)をDNA解析で明らかにする学問分野です。

当研究室の研究に興味がある学生のみなさんの訪問、見学を歓迎します。
一度、メール(chi.mori.g(at)gmail.com)にてご連絡ください。


活動報告

24/04/19 アブラチャンの調査

4/10にアブラチャンの人工交配を行いました。
雌花の柱頭に雄花の花粉を付ける作業は、アブラチャンの花が小さくうまく付けるのが難しかったです。

お昼は河原でご飯を食べました。前に来た時(4/1)から雪が一気に解けて、新芽や新葉の緑が増えました。
春先は山の風景が目まぐるしく変わる時期なので、その一瞬一瞬を楽しみたいと思います。<学部4年 A.T.>

左:作業の様子  真ん中:4/1の河原の風景  右:4/10の河原の風景

24/04/11 論文掲載号の表紙

先日Journal of Plant Biologyに掲載されたTsurisakiさんの論文に使用した無花粉スギの蛍光顕微鏡画像が論文掲載号の表紙を飾りました。
光栄なことですね。
編集委員からメールが来た時は驚きました。
論文が掲載された冊子を国際郵便で送ってくれましたよ。

24/04/10 Abeさんが第71回日本生態学会でポスター賞最優秀賞を受賞

Abeさんが3月に開催された第71回日本生態学会で研究発表を行い、ポスター賞最優秀賞を受賞しました。  おめでとう!!
研究発表タイトル:海浜植物シロヨモギの地理的遺伝構造と過去の分布変遷
大学のHPでも紹介されています。
https://www.agr.niigata-u.ac.jp/archives/3376

24/04/10 アブラチャンの調査

4月1日☀ 今年度初の調査に行ってきました。

アブラチャンの人工交配を行うため、開花前のアブラチャンに訪花昆虫を防ぐための網掛けをしてきました。網は1枚1枚ミシンで縫って作りました。昨年の反省を踏まえ、網と花がこすれて花が落ちてしまわないよう割りばし等で空間を作る工夫をしましたが、もう少し改良が必要そうです、、、

山にはまだ雪が残り足元は少し冷えましたが、天候に恵まれ春の暖かな日差しの下、気持ちのいいスタートになりました。
これから本格的に調査がはじまります。体調に気を付けてがんばっていきましょう!<修士1年 R.K.>

2024/04/09 2月のスギ雄花調査

農学部中庭の大きなサクラが満開です。
講義室の窓からも、このサクラがとても綺麗に見えます。
このサクラの下で花見をしながらランチを食べるのも農学部生の定番です。

さて、話は少し遡り、2024年2月9日
研究室の無花粉スギチームでスギ雄花の採取に行きました。
雪が残っていて寒かったですが、晴天に恵まれました。
スギ雄花の顕微鏡観察は、春の前の研究室の恒例作業となっています。<修士1年 N.M.>

24/03/18 Watanabeさんが新潟大学学生優秀論文賞を受賞

Watanabeさんが2022年度にTree Genetics & Genomes誌に受理された下記の論文が令和5年度の新潟大学学生優秀論文賞を受賞しました。  おめでとう!!

<論文名>
Efficient low-cost marker-assisted selection of trees with MALE STERILITY 1 (MS1) in Japanese cedar (Cryptomeria japonica D. Don) using bulk DNA samples
<著者>
Watanabe et al. 2022
<雑誌>
Tree Genetics & Genomes (https://doi.org/10.1007/s11295-022-01561-y

24/03/16 スギ雄性不稔遺伝子MS4についてのマーカー利用選抜のためのKASPマーカーの開発と適用

新しい論文が公表されました!
第一著者のWatanabeさん、お疲れさまでした。

<論文名>
Development and application of a KASP marker for marker-assisted selection against the male-sterile gene MALE STERILITY 4 (MS4) in Japanese cedar (Cryptomeria japonica D. Don)
<著者>
Watanabe et al.
<雑誌>
New Forests
<概要>
本研究では、まず、スギ雄性不稔遺伝子MS4についてのマーカー利用選抜のためのKASPマーカーを開発しました。次に、このKASPマーカーを用い、日本各地の育種素材1500個体を対象とし、変異型対立遺伝子ms4を持つ個体を探索しました。残念ながら、新たな変異型対立遺伝子ms4を持つ個体は見つかりませんでしたが、本研究の結果からms4を持つ個体の分布は先行研究で発見された新潟県付近に限定されており、非常に低い頻度で存在することが分かりました。さらに、開発したKASPマーカーを用いて、スギ雄性不稔遺伝子MS1 (識別マーカーは先行研究で報告されている)および MS4 のダブルヘテロ接合体 (Ms1/ms1、MS4/ms4) の作出にも挑戦しました。本研究の成果は、MS4 を有する無花粉スギの育種および種子生産の効率化に貢献すると期待されます。(https://link.springer.com/article/10.1007/s11056-024-10036-y

24/03/01 新たな無花粉スギの花粉崩壊過程を解明した論文

新しい論文が公表されました!
第一著者のTsurisakiさん、お疲れさまでした。

<論文名>
Cytological Analysis of Male-Sterile MS5 Japanese Cedar (Cryptomeria japonica D. Don) and Comparison with Other Male-Sterile Mutants
<著者>
Tsurisaki et al.
<雑誌>
Journal of Plant Biology
<概要>
新たなスギ雄性不稔遺伝子MS5に起因する雄性不稔スギ(無花粉スギ)について、花粉形成に異常が生じる過程(花粉崩壊過程)の顕微鏡観察を行いました。研究の結果、MS5に起因する無花粉スギの花粉崩壊過程は、これまでに報告されていたスギ雄性不稔遺伝子MS1~MS4に起因する無花粉スギとは明確に異なることが明らかになりました。本研究で得られた知見は、今後のスギ雄性不稔遺伝子の特定や無花粉スギの効率的な品種改良に貢献することが期待されます。(https://doi.org/10.1007/s12374-023-09415-3

この内容はプレスリリースされました

https://www.niigata-u.ac.jp/news/2024/571785/

2024/03/01 ヒノキ科3種の連鎖地図の比較論文

新しい論文が公表されました!
第一著者のDoganさん、お疲れさまでした。

<演題>
New linkage maps for the Cupressaceae species Chamaecyparis obtusa and Thujopsis dolabrata var. hondae and comparison with the linkage map of Cryptomeria japonica 
(ヒノキ科のヒノキとヒバの新規の連鎖地図とスギ連鎖地図との比較)
<著者>
Dogan et al.
<雑誌>
Journal of Forest Research
<概要>
比較マッピングは、進化的に保存された染色体領域、すなわち保存されたシンテニーの同定を容易にし、ゲノムの構成、再配置、重複を明らかにします。ヒノキ科ではこれまでほとんどの種で連鎖地図が作られておらず、比較マッピング研究は行われていませんでした。今回の研究では、ヒノキとヒバで初めてとなる連鎖地図を作成し、スギで報告されている連鎖地図と比較することで、Taxodioideae(スギ亜科)とCupressoideae(ヒノキ亜科)の間に3つの染色体間再配列(inter-chromosomal rearrangement)領域を検出しました。(https://doi.org/10.1080/13416979.2024.2314829

2023/05/24  精油の抽出作業

5月17日(水)☀
アブラチャン、クロモジ、タムシバからそれぞれエッセンシャルオイルを抽出するため、枝葉を集めに行ってきました。
細い枝を袋いっぱいに収集するのは思っていたより大変でしたが、枝を切るたび樹種ごとに異なる良い香りが漂いとても幸せな作業でした!
精油にした後の香り比べも楽しみです。

2022/12/01   スギ検定林での調査

11月17日(木)、無花粉スギの研究のため、スギ検定林へ行ってきました!
スギ検定林は、品種改良や造林用の種子生産に用いるスギの成長や形質を評価するために造成される試験地で、研究室で定期的に調査を行っています。
天気が変わりやすい季節となり雨が不安でしたが、何とか曇りのまま調査を終えられました。

中には傾斜が急な場所もあり、滑り落ちないように気を付けながらの調査となりました…!
これから雪の季節となりますが、来年もすくすく成長してくれることを願っています!

2022/05/09  今年度初のクロモジ調査

4月28日(金)、今年度で初めてのクロモジ調査に行ってきました!
ここ数日でぐっと暖かくなり、クロモジもちらほら花を咲かせ始めたようです。
天候にも恵まれ、林内の新緑に囲まれながら気持ちよく調査ができました。

これから本格的に調査シーズンが始まります。今年度も、研究室全体で力を合わせて頑張っていきたいと思います!

2022/03/19  YouTube

新潟大学や森林総合研究所などの研究チームが実施した無花粉スギに関する研究の成果が、森林総合研究所のYouTubeチャンネルにて紹介されました。
専門的な用語をなるべく使わず、イラスト付きで簡単に説明していますので、是非ご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=eY8sdavDbkg

2021/11/07  夢ナビ

高校生向けの学問発見サイト「夢ナビ」に研究が紹介されました。 https://yumenavi.info/lecture.aspx?GNKCD=g011081
スタッフの人が機材を持ってこられて、授業動画も撮影しました。
興味のある方は下記の講義動画もご覧ください。
https://douga.yumenavi.info/Lecture/PublishDetail/2021000515?back=

ちなみに、私は主担当はフィールド科学人材育成プログラムで、副担当が流域環境学プログラムです。
夢ナビに紹介された無花粉スギの研究は、流域環境学プログラムの内容となります。

2021/06/30 クロモジ茶

久しぶりの更新になってしまいました。みなさまお久しぶりです。
私は最近クロモジという植物のサンプリングのためによく森に行っています。
森の中は夏でも涼しくて気持ちがいいですね。
サンプリングしてきたクロモジは研究に使うのはもちろんですが、余ったものはお茶にして飲んでいます。
葉をちぎってみるだけでもいい匂いがするので、皆さんも見かけたらぜひお試しください!

2020/08/13 花粉の顕微鏡観察

スギ(上)とヤブツバキ(下)の花粉です。
スギは丸く、ヤブツバキは少し三角形のように見えます。
青色っぽく見えるのは、染色しているからです。

花から花粉を取り出して染色し、顕微鏡で観察しました。
この観察で、花粉の形や大きさを見たり、数をカウントしたりすることができます。私はスギの花粉数をカウントしました。

植物によって様々な形をしている花粉は観察するのがとても面白いです。
大学周辺に咲いている色々な植物の花粉を染色し、顕微鏡で観察してみるのも楽しいかなと考えています。

2020/03/27 卒業プレゼント贈呈と振り返り

新型コロナウィルスの影響により、卒業式や卒業旅行、卒業コンパなどがなくなってしまい華やかさに欠ける春となりました。

しかし、研究室のM2の先輩や3年生が卒業生にメッセージや心のこもったプレゼントを用意してくれ、
学生生活・研究を振り返る有意義なひと時を過ごすことができました。

4月からそれぞれ新たな道が始まると思いますが、
社会人、院生、新しく研究を始める新4年生、みなさん楽しく頑張っていきましょう!

2020/02/03 4年生卒業研究終了!

先日、1月23日は卒業論文提出日でした。
無事、4人の学部生が約1年間の研究成果を論文としてまとめることができました。

山へ調査に行ったり、実験室で解析をしたり、、、
楽しくもハードな1年間だったと思います。お疲れ様でした!!!

2月には卒論発表会があります。大学卒業前の最後のビックイベントです。
発表、楽しみにしています!

2019/11/12 研究に使用するスギの植栽

11月12日(火)、今日は研究のために鉢で育ててきた約500本のスギ苗を植栽しました。
これまで、人工交配、種子採取、播種、育苗をへて、研究室のメンバーで大切に育ててきた重要な研究材料です。

今日の作業は研究室のメンバーだけでなく、他の研究室からも手伝いに来てもらいました。
多くの人からの助けもあり、何とか1日で作業を終えることができました。

植えたスギが雪などで枯死することなく、無事定着することを祈ります。

2019/09/17 高校生アカデミック・インターンシップ研修

8月19日(月)、20日(火)は新潟大学において、「高校生アカデミック・インターンシップ研修」が開催されました。
私たちの研究室は4人の高校生を迎え、研究の魅力と実験のノウハウを体験してもらいました。

今年度は花粉症対策品種として期待されている無花粉スギに関する実験を行いました。
スギの葉からDNAを抽出し、遺伝解析で無花粉スギかどうかを判定しました。

新潟大学の雰囲気と研究の面白さを伝える大変いい機会になりました。
これを機に森林遺伝育種学に興味を持ってくれることを願ってます!

2019/08/30 オープンキャンパス

8月8,9日はオープンキャンパスでした!
連日多くの高校生の皆さんが話を聞きに来てくれました。

森口研では、実際に無花粉のスギの苗や種子を展示しました。
皆さん積極的に質問をしてくれて我々もいろいろと勉強になりました。

今回のオープンキャンパスが進学先を決める上で何かの役に立てばいいなと思います!
がんばれ受験生!

2019/07/04 ホームページを開設しました!

森林遺伝育種学研究室のホームページを開設しました!

森林遺伝育種学とはどのような分野なのか、またどのような研究を行っているのかを知ってもらい、
少しでも私たちの研究や研究室に興味を持っていただけたら幸いです。

定期的に学生が活動記事を投稿をするので、それもおたのしみに!