研究内容

RESEARCH

研究内容

新潟大学応用微生物学研究室では、微生物の生命現象に関わる遺伝子の発現調節機構や、微生物酵素・タンパク質の理解や応用、微生物機能の開発に着目し、以下を目標に研究を行なっています。 ・Small RNAを利用した新たな遺伝子発現調節機構の開発と利用
・酵素やタンパク質の安定性向上とそのメカニズムの利用
・微生物酵素(主にキチン分解酵素)の機能や生産性の向上
・キチン分解酵素を利用した微生物農薬の開発
・医療分野での利用を目指した新たな多糖の微生物による生産
・日本酒製造に関わる微生物の機能解析

微生物酵素の機能・生産性向上/微生物機能開発に関する研究

・微生物キチナーゼによる結晶性キチンの連続分解機構の解明
・キチナーゼ及びキチン結合タンパク質の機能解析
・佐潟から分離したキチン分解細菌の解析と微生物農薬の開発


 

「キチン」 ご存知ですか? キチン分解酵素「キチナーゼ」の研究

 キチンはカニやエビなどの甲殻類の“堅い甲殻”の成分で、糖がたくさん結合した“多糖”と呼ばれる物質の一種です。また、カビなどの真菌類の細胞壁、昆虫の外被などを構成する成分であり、地球上に大量に存在する未利用のバイオマス資源なのです。
 キチンは強固な結晶構造の不溶性の多糖であり、微生物はキチンをキチナーゼという酵素を生産し分解しています。一部のキチナーゼは強固な結晶構造となっている不溶性のキチンを一方向に分解しながら進みます。水溶性のタンパク質であるキチナーゼが、どのようにして結晶性で固体のキチンを分解できるのか、大変興味深い問題です。私たちは、食品製造や農業への利用を視野に入れて、このような酵素の立体構造と機能の解明、結晶性キチンの分解メカニズムの解明、酵素を生産する遺伝子の発現制御機構の研究と応用開発を行っています。

 

遺伝子発現調節機構に関する研究

・Csrグローバル制御システムによる遺伝子発現調節機構
・セカンドメッセンジャーc-di-GMPによるバイオフィルム調節機構
・small RNAによる細菌のキチン分解利用システムの制御機構
・sRNA制御機構を利用した菌体外多糖の生産


 

細菌遺伝子の発現制御メカニズムの研究

 細菌は様々な外界の環境に適応して生きています。細菌は自分の置かれている環境の変化を感じ取り、それに応じて遺伝子の発現を制御しています。遺伝子の発現は複雑で巧妙な様々なシステムによって制御されています。
 当研究室では「small RNA」という低分子のRNAが関与する発現制御システム(Csrシステム)とセカンドメッセンジャー「c-di-GMP」による制御機構を中心に、新たな細菌の制御メカニズムの解明に向けて研究を行っています。

 

酵素やタンパク質の安定性向上とそのメカニズムに関する研究

・キチン結合タンパク質の構造安定性
・グルコアミラーゼの圧力変性機構の解析


 

微生物由来のタンパク質の構造形成過程や安定性に関する研究

 酵素などのタンパク質は、直鎖状の分子から折りたたまれて精巧な立体構造を形成します。この緻密な過程をへて、タンパク質は初めて機能を獲得します。一方で、折りたたまれたタンパク質は必要最低限の安定性しか持たず、高温や酸性環境などにさらされると、その立体構造はこわれます(変性)。原子レベルでの解析により、分子内のわずかな相互作用の変化が、タンパク質の折りたたみや安定性に影響をおよぼすことが知られていますが、まだ多くのことがわかっていません。そこでグルコアミラーゼのデンプン結合ドメインを対象として、その折りたたみ過程や安定化メカニズムの解析を行っています。