第5回新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センターフォーラムの概要
2014年8月30日(土)に,第5回新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター(KAAB)フォーラム(農学部附属フィールド科学教育研究センター共催・刈羽村後援)を開催しました.今回は,「花のバイオテクノロジー」と題して,新潟大学中央図書館ライブラリーホールにて実施しました.フォーラム開催に先立ち,金子双男 新潟大学理事(社会連携・財務担当)および品田宏夫 刈羽村村長からご挨拶があり,続いて,KAABセンター長から設立5周年を迎えたKAABの歩みと今後の展望について紹介がありました.講演会では,「花のバイオテクノロジー」分野において第一線で活躍されている富山県中央植物園・企画情報課長の神戸敏成先生と千葉大学環境健康フィールド科学センター・名誉教授の三位正洋先生からご講演をいただきました.神戸先生は,「野生植物の王国」とも称される中国雲南省の豊かな植物資源を美しいスライドで紹介されました.中国雲南省は,日本と同じ日華植物区系に属することから,日本の植物と共通な種や近縁種も多く存在しているとのことです.続いて,富山県中央植物園と中国科学院昆明植物研究所との共同調査研究の一端をベゴニア類,アヤメ属植物,マメ科植物,トウツバキを中心に紹介されました.三位先生は,遺伝子組換えを中心として胚救出や細胞融合など他のバイオテクノロジー技術も含めて,それらが花の育種にどのように利用できるのかを,青いコチョウランやダリアの作出など様々な実例を紹介しながら紹介されました.花き園芸植物の品種改良(育種)にはバイオテクノロジー技術が不可欠であり,中でも遺伝子組換えが非常に魅力的な技術であると強調されました.遺伝子組換えコチョウランやダリアの美しい青色の花は大変印象的でした.今回のフォーラムのテーマが「花」ということもあり,実になごやかな雰囲気で進められ,フロアーからも多数の質問がありました.最後に,新村農学部長から閉会のご挨拶があり,大変有意義な講演会となりました.
本フォーラムには,近所の市民の方々を含め61名の参加者があり,盛会のうちに終えることができました.ご協力,ご参加くださった皆様に心から感謝申し上げます.
当日の様子を以下にまとめましたので,ご覧ください.
2014年9月1日
KAABセンター長 三ツ井 敏明
第5回 新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センターフォーラム
花のバイオテクノロジー
主催:新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター
共催:新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター
後援:刈羽村
日時:2014年8月30日(土)
会場:新潟大学付属中央図書館 ライブラリーホール
〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地
開会挨拶
13:30 - 13:45
-
金子 双男
新潟大学 理事 -
品田 宏夫
刈羽村 村長
講演
-
司会・座長 : 中野 優
新潟大学 大学院自然科学研究科 准教授
13:45 - 13:55
KAABのこれまでのあゆみと今後の展望
-
三ツ井 敏明
KAABセンター長;新潟大学 農学部 教授
13:55 - 14:55
中国雲南省における植物多様性と遺伝資源の利用
-
神戸 敏成
富山県中央植物園 企画情報課長
14:55 - 15:55
バイオテクノロジーによる花の育種 ~青いコチョウランの作出を中心に~
-
三位 正洋
千葉大学環境健康フィールド科学センター 名誉教授
閉会挨拶
15:55 - 16:00
-
新村 末雄
新潟大学 農学部長