センター長よりごあいさつ
KAAB研究センターは新潟大学と刈羽村との連携事業として刈羽村に建設されたサテライト実験施設を核として国内外の研究者と学生が学び研究する国際的な教育研究拠点形成を目指しています。当センター運営委員による国際共同研究が積極的に行われ,科学技術振興機構(JST)戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)(EIG-CONCERT-Japan共同研究「食料及びバイオマスの生産技術」)やイタリアCREAがコーデイネーターとなって進められているHorizon 2020 ExpoSEEDプロジェクト等に参画しています。また,ヨーロッパ第3位の規模を誇るスペインCSICやスウェーデン ウメオ植物科学研究センター(ウメオ大学・スウェーデン農科大学ウメオ校)との学術交流協定の締結を進めています。加えて,モロッコ カジアヤッド大学等の北アフリカ地域との交流も着実に進展しています。このように,KAAB研究センターは順調にそして着実に国際化の道を歩んでいます。現在,スウェーデン,スペイン,イタリア,モロッコ,ブラジル,エジプト,タイ,バングラデシュ,マレーシア,ロシア,中国等,様々な国の研究者および留学生が「高温・高CO₂等の複合ストレス環境に適応する次世代イネの開発研究」を含め様々なKAAB研究プロジェクトに参加しています。無論、国内の大学・研究機関や県内外の企業・公設試との共同研究も種々のプラットフォーム並びにコンソーシアムを通じて活発に行われており,地域が抱える諸問題に取り組み,地域農業の振興および環東アジアを見据えた農業バイオ教育研究拠点の構築を進めています。当センターの運営に関して,皆様からのさらなるご支援,ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
センター長 農学部・教授 三ツ井敏明
設立の趣旨および沿革
新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター 設立の趣旨
2006年11月に新潟大学と刈羽村は包括連携協定を締結しました。2009年5月には地域や世界の農学的課題に取り組む農業バイオ研究の拠点として、「新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター」が設立されました。
2012年9月には、新潟県刈羽村の地域共生事業の核である「農業インキュベーター事業」の一環として,多機能温室群バイオドームおよびバイオ実験施設が竣工し、新潟大学と刈羽村の連携融合事業が実施されています。
本研究センターでは先端農業バイオ研究により,地域のみならず世界の農業にとって重要な課題の解決に取り組んでいます。また、地域連携、産学官連携のみならず、国際連携を推進することで、農業バイオ分野の国際共同研究拠点の形成を目指しています。
沿革
新潟大学自然科学系附置「地域連携先端医療・科学センター」設置(2005~2008 年度)
新潟大学と刈羽村との間で包括連携協定締結
新潟大学・刈羽村包括連携協定締結記念講演会(2006年11月19日 刈羽村)
「地域連携先端医療・科学センター」を発展的に解消し,農業バイオ研究に特化した
「新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター」を新潟大学自然科学系附置コア・ ステーションとして設置
刈羽村地域共生事業「ぴあパーク とうりんぼ」竣工
刈羽村バイオドーム・バイオ実験施設 開所
文部科学省特別経費(プロジェクト分) 交付
高性能閉鎖温室1 が完成
高性能閉鎖温室2 が完成
組織の概要
KAAB運営委員
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三ツ井 敏明(センター長)新潟大学農学部・教授
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伊藤 紀美子新潟大学農学部・教授
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中野 優新潟大学創生学部・農学部・教授
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大竹 憲邦新潟大学農学部・教授
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狩野 直樹新潟大学工学部・准教授
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金古 堅太郎新潟大学大学院自然科学研究科・助教
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岡本 暁新潟大学農学部・助教
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湊 菜未新潟大学農学部・助教
KAABスタッフ
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Baslam Marouane新潟大学農学部・特任助教
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花俣 繁新潟大学農学部・特任助教
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Aycan Murat新潟大学農学部・特任助教
学内アドバイザリーボード
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松尾 正之新潟大学理学部・教授(自然科学系長)
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原澤 良栄新潟大学フィールド科学教育研究センター・客員教授
学外アドバイザリーボード
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田村 良浩新潟県農業総合研究所・所長
名誉アドバイザー
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大山 卓爾新潟大学・名誉教授
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今関 英雅名古屋大学・名誉教授
サテライト施設の概要と
アクセスマップ
KAABサテライト施設は2012年10月1日新潟県刈羽村「ぴあパークとうりんぼ」の一画に開所しました。刈羽村地域共生事業の一環として整備された自然光利用型多機能温室群「バイオドーム」および「バイオ実験棟」等と、2014年より文部科学省特別経費(プロジェクト分)により段階的に整備された高性能閉鎖温室2機、その他、遠隔操作システムが稼働しております。
これらは複合ストレス耐性を持つイネの開発やその基礎研究を始めとした先端農業バイオ研究、産学官共同研究、国際共同研究等に利用されています。
共同研究・共同利用についてはt.mitsui*agr.niigata-u.ac.jp 三ツ井敏明センター長までご相談下さい(*を@にしてお使い下さい)。
【サテライト施設の概要】
【バイオトロン群の性能仕様】
・CO₂濃度制御型(4 基)
チャンバーサイズ:L4.5 × W4.5 × H1.8~2.2 m
CO₂濃度:大気濃度〜3000 ppm
温度:15〜35℃
湿度:RH 70% 以上
自動潅水
・日長制御型(2 基)
チャンバーサイズ:L4.5 × W4.5 × H1.8~2.2 m
電動式遮光カーテン
蛍光灯 LED を用いた補光(蛍光灯型 LED 9 灯;演色評価指数 Ra 80;色温度 6500 K)
温度:15〜35℃
湿度:RH 55〜80%
自動潅水
・通常型(2 基)
チャンバーサイズ:L4.5 × W9 × H1.8~2.2 m および L4.5 × W4.5 × H1.8~2.2 m
温度:15〜35℃
湿度:RH 70% 以上
自動潅水
バイオトロン内の温度,湿度,CO₂濃度,日長,潅水等の制御は,新潟大学に設置したコンピュータで遠隔操作することが可能です.また,全チャンバーに設置したカメラにより,チャンバー内の植物の様子を新潟大学のコンピュータで随時観察することができます.
【アクセスマップ】
パンフレットはこちらからPDF