第21回 農学部フォーラム / 第6回 新潟大学・刈羽村
先端農業バイオ研究センターフォーラムの概要
2015年8月29日(土)に,新潟大学農学部と新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター(KAAB)との共催で,第21回 農学部フォーラム/第6回KAABフォーラム(刈羽村後援)を開催しました.今回は,「新たな技術で拓く資源循環型作物生産の可能性」と題して,新潟大学中央図書館ライブラリーホールにて実施しました.フォーラム開催に先立ち,髙橋 姿 学長および品田宏夫 刈羽村村長からご挨拶があり,KAABと刈羽村の連携が引き続き推進されることが確認されました.講演会では,まず,国立大学法人豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター 特任教授の三枝正彦先生の基調講演「持続性の高い農業生産のための資源循環型養分管理」が行われました.お話は多岐にわたり,持続性の高い農業生産を推進するための資源循環型養分管理について,有機性廃棄物の有効活用,土壌診断に基づく適正施肥と蓄積養分の再利用,工業的副産物の活用などを検討するとともに,新たに問題化している都市農業や施設園芸農業,農業のIT化,6次産業化などを含めた我が国農業の今後のあり方について述べられました.特に,土壌のメタボ化やコーティング肥料の話題は興味深く,また,6次産業化における「しんきん(地域の信用金庫)」の活用のお話は大変示唆に富むものでした.続いて,秋田県立大学 生物資源科学部 准教授の佐藤孝先生は「排水不良転換畑におけるモミガラ補助暗渠とマメ科緑肥によるダイズ多収技術」について講演されました.マメ科緑肥作物ヘアリーベッチの根粒菌スクリーニグから農業現場での実証試験まで,着実な研究開発の進め方に多くの学ぶべきことがありました.また,新潟県農業総合研究所作物研究センター 専門研究員の南雲芳文先生から「高窒素鶏ふんペレットによる水稲の化学肥料全量代替」について紹介がありました.鶏ふんを含め有機性廃棄物の有効活用がかなりのスピードで進んでいることが大変印象的でした.それぞれの講演後にフロアーから多数の質問があり,資源循環型作物生産に対する関心の高さが改めて浮き彫りになりました.最後に,渡邉農学部長から農学部フォーラムとKAABフォーラム共催の経緯を含め閉会のご挨拶がありました.今回,農学部・KAABジョイントフォーラムを開催することになった経緯は,末吉教授から提案されたKAABフォーラムテーマが農学部フォーラムに相応しいテーマであったこと,そして開催経費問題など諸般の事情から,急遽,農学部とKAABの両主催でフォーラムを開催することになったということです.
本フォーラムには,富山県立中央農業高校の生徒や,刈羽村・十日町市・長岡市から参加された方々を含め,56名の参加者がありました.なごやかな雰囲気でありつつ,濃密な議論が行われ,大変有意義な講演会となりました.ご協力,ご参加くださった皆様に心から感謝申し上げます.また,フォーラムの開催にあたりまして農学部同窓会からもご支援いただきました.この場をお借りしてお礼申し上げます.
当日の写真記録を以下にまとめましたので,ご覧ください.
2015年9月1日
KAABセンター長 三ツ井 敏明
第21回 農学部フォーラム / 第6回 新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センターフォーラム
新たな技術で拓く資源循環型作物生産の可能性
主催:新潟大学・刈羽村先端農業バイオ研究センター/新潟大学農学部
後援:刈羽村
日時:2015年8月29日(土)
会場:新潟大学付属中央図書館 ライブラリーホール
〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地
開会挨拶
13:30 - 13:45
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髙橋 姿
新潟大学長 -
品田 宏夫
刈羽村 村長
講演
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司会・座長 : 末吉 邦
新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター 教授
13:45 - 14:45
持続性の高い農業生産のための資源循環型養分管理
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三枝 正彦
国立大学法人豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター 特任教授
14:45 - 15:35
排水不良転換畑におけるモミガラ補助暗渠とマメ科緑肥によるダイズ多収技術
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佐藤 孝
秋田県立大学 生物資源科学部 准教授
15:35 - 16:15
高窒素鶏ふんペレットによる水稲の化学肥料全量代替
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南雲 芳文
新潟県農業総合研究所作物研究センター 専門研究員
閉会挨拶
16:15 - 16:25
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渡邉 剛志
新潟大学 農学部長