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特別シンポジウム

当センターが過去に開催した特別シンポジウムを紹介しています。

特別シンポジウム1

平成17年10月29日

テーマ「食からの復興-災害からの教訓に学ぶ-」

 

講演

1) 「阪神大震災-被災者の視点から-」
     奥田 和子 氏(甲南女子大学人間科学部人間環境科教授)
2) 「日本の国際緊急援助隊における食糧について」
   大田 孝治 氏(独立行政法人 国際協力機構国際緊急援助隊事務局研修チーム長)
3) 「避難所での口腔ケアと食について」
   澤 秀一郎 氏(社団法人長岡歯科医師会会長)
4) 「被災生活における食の問題-中越地震生活アンケートから-」
   松井 克浩 氏(新潟大学人文学部助教授)
5) 「非常食の現状と課題-食品加工と被災者の視点から」
   別府 茂 氏(ホリカフーズ株式会社)
 



 災害時・緊急時における食物の確保という問題は、命綱でありながら、ともすると単に「量」の補給という議論に終始しがちです。これまでの非常食は保存期間の長さとコンパクトさ、次いで栄養価が重要な要因であり、それを基に自治体や家庭での備蓄が進められてきました。

 しかし、阪神淡路大震災の被災現場から「非常食は不十分な点が多く、未だに確立されていない」という問題提起がなされました。残念ながら、救援を受けた側からのそのような声は消えていき、平成16年10月、食品関連企業1000社以上を有する新潟県が中越大地震に遭い、このことが改めて浮き彫りとなりました。

 本シンポジウムでは、この新しい視点からの問題意識のもとに、阪神大震災、中越大地震、そして海外での災害現場からの専門家による多くの話題提供とともに、将来の災害に備えて、食品産業界、行政、一般の方々のあるべき姿を探りました。約100名のご参加を頂き、活発な質疑も行われました。

 このシンポジウムの内容は、「これからの非常食・災害食に求められるもの:災害からの教訓に学ぶ」(新潟大学地域連携フードサイエンスセンター編)」として、2006年に光琳(東京)より出版いたしました。