HOME | 楽しく学ぶ食育 | 第6回「大学生活スタート編」

食育セミナーのご紹介

新潟大学地域連携フードサイエンスセンターでは、大学生向けの食育セミナーを定期的に開催しています。
食育セミナー当日の様子をご紹介します。

第6回大学生のための食育セミナー

テーマ「大学生活スタート編」

  • 日時/2014年5月17日(土) 午後2時~4時
  • 場所/新潟大学教育学部105講義室
  • ファシリテーター/山口智子(教育学部 准教授)
  • 参加者/60名

当日のプログラム
開会の挨拶 14:00-14:05

地域連携フードサイエンスセンター長 門脇基二

講演①
「朝ごはん、食べていますか?」 
14:05-15:00

講師:新潟県立大学 名誉教授 渡邊令子 氏
 

 

 

大学生における朝食の欠食状況

  • 約4割の学生が欠食。そのうち、「週4日以上食べない」欠食者が約2割。
  • 欠食の状況は、上級学年(3・4年生)、男子学生、1人暮らし、アルバイト有ほど、欠食頻度が高い。
  • 朝食欠食の主な理由は、回答が多い順に3位まであげると、①もっと寝ていたいから、②身支度などの準備で忙しいから(特に女子学生)、③朝食を食べるのが面倒だから。

※出典:内閣府「大学生の食に関する実態・意識調査」2009年
 群馬県健康福祉部「大学生の食に関する実態・意識調査」2013年
 

朝食の重要性

朝食の欠食は、1回の食事の摂取量が多くなり、過食につながる可能性もあることから肥満等の生活習慣病の発症を助長すること、疲労感など不定愁訴の増加(体調不良)など、科学的根拠をふまえて多くの問題点が指摘されている。

  • 朝食(breakfast)とは断食後、初めて食事をとること
     “fast”の意味は、「断食、絶食、断食の期間」で、“break”は「・・を破る、こわす」
  • 体内時計と食事のリズム
     睡眠、体温、ホルモン分泌、代謝 摂食・飲水行動など、重要な生理機能は地球の自転に対応するため、約24時間周期で変動するリズム(概日リズム)をもつ。この生体リズムを司るペースメーカーが体内時計である。ヒトの時計遺伝子の発見は1997年。
     この概日リズムは、光のほかに温度、食事などの影響をうけるので、環境時間に合わせた規則正しい食事が大切である。
     我が国の1日3回食の普及は江戸(元禄)時代から。

 
食べ物の機能は、まずはエネルギーの供給

  • 優先順位は、①エネルギー、②たんぱく質、③脂質 ④・・・
  • 具体的なエネルギー源としては、主食のごはん、パン、麺類(穀類)とイモ類などのデンプンを含む食品 (デンプンは消化によって分解され、グルコースになる)
  • 朝食としては、手っ取り早くエネルギー源になるものがおすすめ。

 

食事バランスガイドで、あなたの食事を確認

食事バランスガイド(2005年)は、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいのかを、コマのイラストで「料理」をベースとして示されているのが特徴。
 

食べ方も大事

  • 3回の食事時刻
  • 1日の食事量の朝食、昼食、夕食、(間食)への配分
  • 食べる速度(早食いは百害あって一利なし)や食べる順序 他

農林水産省HPより

主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのグル-プをバランス良く食べて、運動すると、コマは安定してまわる。コマの軸は必須の水分で、その補給は水とお茶。

農林水産省HPより
 
朝食を欠食していた人は、おにぎり1個からでも初めてみましょう!

講演②
「自分で作ってみよう!」
15:00〜15:30

講師:料理研究家 いしだきょうこ氏
 

 

 

新潟の豊かな自然に感謝して

 新潟県は米どころであり、「風土」を生かした多彩な野菜や果物も多く作られています。
 私たちが住むその土地で、自然のまま作られたおいしい素材を食べるようにしましょう。
 季節を感じ、旬の食材を食べることは、その時身体が必要とする栄養素をとり、身体のリズムを整えることにつながります。
 

家のごはんが大切

 家族の身体と心のことをよく観察し、考えて作られるのが家庭料理です。一人暮らしであれば自分のために、自分で作るしかありません。自分の食事は自分で作れるよう、大人としての準備を今からはじめていきましょう。
 

自分で作ってみよう

 まずは1食から作ってみましょう。最初の1年は「朝食だけでも作ろう」とか、「お弁当は自分で作る」、「1週間に1度は自分で作る」でも大丈夫。そうやって作ることに慣れてみましょう。
 手作りするのが苦ではなくなり、そのうち意識しなくても自然に手が動くようになります。
 

調理法はシンプルに

 調理法は茹でただけ、炒めただけと、いたってシンプルでいいのです。レシピに頼らず、名前のあるおかずにもこだわらず、まずは自分で作るということを一番に考えてみてはどうでしょう。
 

朝食には

 朝のメニューを決めてしまうのも手。毎朝同じ朝ごはんを食べるのは気持ちがおちついて、いいものです。

作ってみよう!今日の朝食メニューのレシピ  

マッシュポテト(2人分)

<材料>
□ じゃがいも・2個 
□ バター・10g
□ 牛乳・40ml
□ 塩・小さじ1/4
□ 黒こしょう・少々
※ナツメグ(粉末スパイス)を加えるとワンランクアップ
 
<作り方>

  • じゃがいもはゆで、熱いうちにていねいにつぶす。
  • ①にバターを加え混ぜ、牛乳を少しずつ加えながらなめらかにする。
  • 塩で味をととのえこしょうをひく。

 

卵サラダ・アスパラガス添え

<材料>
□ アスパラガス・2本 
□ 卵・2個
□ マヨネーズ・小さじ2
□ カレー粉・少々
□ 塩・適宜
 
<作り方>

  • 水500mlに塩小さじ1で沸騰させたところに、アスパラガスをいれ1分半から2分ゆでる。
  • 常温の卵を沸騰したお湯にいれ12分ゆでる。 冷水につけ冷やし、殻をむく。
  • 白身は細かく切り、黄身はつぶしマヨネーズであえる。カレー粉をほんの少々ふる。

 

イチゴとバナナのマリネ

<材料>
□ いちご・2個
□ バナナ・1/2本
□ レモン果汁・小さじ1
□ メープルシロップ・小さじ1
※メープルシロップははちみつでも可。(グラニュー糖でも)
※果物はいろんなもので応用可。湯むきしたトマトでもおいしい。
 
<作り方>

  • いちごはへたをとり縦に4等分にする。
  • バナナは小さな乱切りにする。
  • レモン果汁、メープルシロップを同量ずつかけ、やさしく混ぜ合わせしばらくおく。

 

“おまけのレシピ”ミルクジャム

<材料>
□ 牛乳・200ml 
□ グラニュー糖・80g
 
<作り方>

  • 鍋に材料をすべていれ中火にかける。鍋底をヘラで混ぜながら半分くらいになるまで煮つめる。

試食タイム 15:30-15:55

採れたてのアスパラガスの甘さに感動! 越後姫とバナナのマリネや米粉パンにル・レクチェといちじくのジャムなど、 にいがたフード・ブランドの食材をいろいろお手軽朝食メニューとして味わい、 朝食摂取の重要性をしっかり学びました。
 
<メニュー> 
 米粉パン
 農家さんのこだわりル・レクチェジャム
 越のしずく(いちじく)ジャム
 マッシュポテト
 卵サラダ 今が旬!茹でアスパラガスを添えて
 越後姫(いちご)とバナナのマリネ

 

 

閉会の挨拶 15:55-16:00

地域連携フードサイエンスセンター長 門脇基二