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各種活動紹介

当センターで開催した講演会や展示会の様子を紹介しています。

災害時の食と生活に関する情報

 新潟大学地域連携フードサイエンスセンター

 
この度の未曾有の大災害におきまして、多くの犠牲者と被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の一日も早い復興、生活再建をお祈りいたします。また復興支援関係者の皆様のご尽力に敬意を表します。
 当センターでは災害時の食と生活に関する課題集約と提案を続けて参りました。
 

 
【 なぜ新潟で災害食の研究か? 】

 新潟は穀倉地帯であるとともに、食品関連企業1000社以上が存在する食品加工地域でもあります。この新潟が2004年に中越地震を被災したことを契機に、本学では産学官の連携を図りながら、災害下での食の課題を掘り下げて参りました。中越地震において、多数の食品メーカーや大学等が被災し、食への問題意識が高まったことが研究の開始に繋がったものです。
 これまでの災害を経て、食の問題は解決済みではないかという見方もありましたが、検討を進める中でいくつかの課題が見えて参りました。例えば、過去の災害後に報告書等がまとめられ、食の課題が触れられてきましたが、その内容が十分に継承されていない。また災害時の食には食品科学、栄養科学、生活科学、医療・介護、心理学等の広い分野の情報が必要です。そのためか総合的な専門家が極めて少ない、組織的な取組みが少ない、対応する学会が明確でない、なども課題となっておりました。
 2007年には、地方都市を中心被災地とした中越沖地震が発生し、私どもは改めて食のあり方を考えさせられました。そこで全国の関係者とともに、災害への備えとしての「食」と「生活」の課題を集約し、微力ながらその重要性を発信しています。
 

 
【 災害食の必要性 】

 被災者の状況は個々に異なります。年齢、性別、生理的状況等々。この中で、成人に比べて、子供、高齢者、要介護者の食事対策は十分とはいえません。例えば、一般成人では乾パンが有効な食となりますが、子供や高齢者等には適切でしょうか。またライフラインが十分に機能しない中で、摂食時に多くの水、場合によってはお湯等を必要とする食事もあります。
 災害のために入れ歯や眼鏡を紛失した方もおられ、一方では栄養素や量などの制限食を必要とする方もおられます。高齢者では、誤嚥性肺炎の増加などの健康被害が報告されています。このように多様な上、ライフライン等の復旧や支援物資の到着により、状況は日ごとに変わっていきます。
 

 
【 災害食とは 】

 高齢者の誤嚥の生じにくい食品、子供が食べやすい食事、要介護者に適切な栄養価の食事など、個々の状況を考慮し、福祉保健機能、健康機能などを加えた食事を、災害食と位置づけています。また毎食は難しいですが、温かい食事やおいしい食事も心理的に有効です。一部の食品メーカーから、これらの機能を有した非常食・災害食が開発されてきています。
 これらは、価格やコンパクトさの面から自治体等での大量備蓄には向きませんが、個人また職場や学校単位などの中小規模で人員構成が明確な場合は、状況に応じた用意が可能です。
 

 
【 災害時の食によるトラブルを減らすために 】

 災害時の食には前述の様に多くの要素が関連し、膨大な情報を整理して情報提供する必要があります。当センターでは、様々な分野の方と協力して情報の集約を図り、シンポジウム等で議論し、その内容を書籍にして情報発信をして参りました。また当センターHP(新着情報等)では、災害下の食に関する情報をいくつかお示しして参ります。以下に一部をご紹介いたします。
 


参考1 
 災害時の食に関する情報

1)働く人の災害食ー神戸からの伝言.
奥田和子.2008.編集工房ノア(大阪) 詳しくはこちら(Amazonへ)
 
2)これからの非常食・災害食に求められるもの(2)―災害時に必要な食の確保―.
新潟大学地域連携フードサイエンスセンター編.2008.光琳(東京)
詳しくはこちら(Amazonへ)
 
3)これからの非常食・災害食に求められるもの―災害からの教訓に学ぶ―.
新潟大学地域連携フードサイエンスセンター編.2006. 光琳(東京)
詳しくはこちら(Amazonへ)
 
4)震災下の「食」ー神戸からの提言
奥田和子.1996.日本放送出版協会(東京) 詳しくはこちら(Amazonへ)
 
 

参考2 
 災害時の食と生活の課題集約と解決に向けたシンポジウム
 (当センター主催)

・第1回特別シンポジウム
「食からの復興―災害からの教訓に学ぶ―」 詳しくはこちら
 
・第2回特別シンポジウム
「これからの非常食・災害食のために」 詳しくはこちら
 
・第3回特別シンポジウム 詳しくはこちら
「にいがたからの発信『避難生活を支える災害食』~災害時の健康を守るには... 防災、福祉、食の観点から、災害食のあり方を提言する~」・
 
・第4回特別シンポジウム 詳しくはこちら
「あなたの被災生活を支える災害食 『非常食』から『医療・福祉・保健機能を加えた災害食』へ」
 
*これらのシンポジウムで集約された内容を広くお伝えしていくため、書籍としてまとめております。
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