フィールド科学教育研究センター
2001年に従来の附属農場および附属演習林が統合され、企画交流部・耕地生産部・森林生態部の3部体制でフィールド科学教育研究センターが設立されました。これは「食料問題」および「環境保全」という今世紀最大の課題が、これまでの細分化された個々の学問領域では対処しきれないことから、新しい総合的視野に立つ「フィールド科学」の構築を目指したものです。
2019年度より、森林生態部が佐渡自然共生科学センターへ統合されたことに伴い、当センターは企画交流部および耕地生産部の2部体制で再スタートを切りました。2021年度より、部の名称を担当に変更し、今後も、学部の教員と緊密に連携して農業・環境問題に取り組んでいきます
企画交流担当
農業生産と環境保全に関する教育・研究を推進するために、総合的なプログラムおよびプロジェクトを企画調整しています。特に、地域特有の農業・環境問題を積極的に汲み上げ、農学部と地域社会との交流窓口として情報の収集・管理・発信を行っています。また、農学部教育に関する事項について、フィールド科学教育研究センターと佐渡自然共生科学センター演習林(旧森林生態部)との連携に取り組んでいきます。
-
FCシンポジウムの開催
-
五泉市との連携協定の締結
耕地生産担当
【概要】
耕地生産部には村松ステーションと新通ステーションの2 つのステーションがあり、それぞれ五泉市(旧村松町、新潟大学から45km)、新潟市西区新通(新潟大学から3km)に所在しています。村松ステーションは16ha の圃場を有し、食用作物(ダイズ、ジャガイモ)、野菜類(ナガネギ、スイカ、ダイコン)および牧草を作付け、乳牛やヤギを飼育しています。新通ステーションは2.7ha の圃場を有し、水稲を中心に作付けし、転作作物としてタマネギ、エダマメ、ソラマメ、サトイモ、トマト、ナス、キク等の野菜を栽培しています。一部は施設栽培を行っています。また、春季には草花やハーブの苗生産も行っています。
【教育・研究】
基礎的な農作業体験を目的として、農学部全学生の必修である「基礎農林学実習」を両ステーションで開講しています。また、植物生産学・動物生産学・農業機械学等を専攻する学生の専門的な実習も開講しています。耕地生産部では、播種から収穫まで、また出産から牛乳生産までの農業生産の全過程を対象にして、環境負荷の少ない持続的農業に関する研究を行っています。村松ステーションでは、農業機械利用による省力生産技術、耕種と畜産での資源循環、資源循環型酪農における乳牛の生産性および繁殖成績について研究しています。新通ステーションでは、稲作における水管理や肥培管理、環境に配慮した野菜栽培技術について研究しています。
【地域連携・社会貢献】
村松ステーションでは、五泉市と連携して、地域中学校の農場実習や児童・園児の農場見学等を受入れているほか、学校給食用野菜を提供しています。また、五泉市のブランド野菜であるサトイモの連作障害対策について試験調査を行っています。新通ステーションでは、園児の農業体験を毎年開催しています。また、新潟大学自然科学研究科大学院教育のプロジェクトの一環として、地域の酒造会社と連携し、農場で栽培した酒米を用いた大学ブランドの日本酒‘新雪物語’を造っています。他に、農場開放やキャンパス市を開催し、地域との交流を行っています。
村松ステーションでの実習風景 土壌調査 村松ステーションでの実習風景 搾乳 新通ステーションでの実習風景 ソラマメの収穫 新通ステーションでの実習風景 稲刈り
気象および土壌
村松ステーション/平均気温13.2℃、降水量1788㎜、積雪70㎝、標高25m、火山灰黒ボク土壌
新通ステーション/平均気温13.2℃、降水量1770㎜、積雪20㎝以下、標高−1m、信濃川沖積土