グリーティング
農業生産や我々の生活環境は水資源を有効利用することにより成り立っています。降水も降っただけでは資源になりません。農業水利施設や上下水道など送排水システムを構築し、水文循環を制御することにより初めて水資源になります。食糧生産問題が論じられる際に見落とされがちな水資源とその送排水システムの老朽化問題について材料と非破壊検査の観点から研究を進めています。
研究分野・テーマ
主な研究課題は以下に示す3課題です。いずれも工学と農学の両面を踏まえた研究課題です。
1.AE(Acoustic Emission)を用いた構造材料の損傷度評価法の開発
構造材料(主にコンクリート、木材)の破壊過程を弾性波計測と画像解析を用いて定量評価する診断法を開発しています。特に弾性波を受動的に検出するAE法を用いたDeCATシステムの構築を行っています。
2.通水シグナルの検出によるパイプラインに発生する混相流の流動形態診断法の開発
農業用水や工業用水など大規模送水パイプラインでは気液二相流など混相流が生じることに伴い有害振動が施設に発生し、事故が誘発されます。本研究では混相流から発生する通水シグナル(弾性波)を検出し、その波形解析から流動形態や規模を推定に基づく安全性診断法を開発しています。
3.水利システムの再構築の最適化問題
水利システムの老朽化は建設後40年程度で顕在化します。その際、システムの再構築が求められ、施設の使用性のみならず安全性や経済性を考慮する必要があります。これは典型的な最適化問題であり、本研究では農業用パイプラインを対象に施設構造と経済性の観点から実証的研究を進めています。
研究業績・略歴
アルバム
大型載荷試験
割裂破壊の画像解析
モデルパイプライン試験(農村工学研究所)
実構造物での現地計測(山形県米沢平野地区)
リンク