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教員紹介

  • 流域環境学プログラム
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  • 斎藤 嘉人

    助教

    担当講義:

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グリーティング

最近,「スマート農業」,「AI」といった言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。

世界では2040年人口が90億人に達すると予想されており,食料不足や環境汚染の問題が今まさに起こっている一方,日本に目を向けると,農業に携わる人口は減っている状況です。そんな中,今の農業には,「農業生産~加工・流通を省力化」しながら,できるだけ「環境に負荷をかけずにロス少なく食料を生産すること」が求められています。これを実現する農業のスタイルが,最小の資源投資で最大の収量・品質を得るための「超精密農業」です。
超精密農業を実現するためには,栽培中の植物や生育環境,収穫後の品質を”破壊せずに正確に測る”技術が必要不可欠です。さらには,一つ一つの農作物の品質を収穫前に予測することができれば,収穫時期をずらすなどして,品質の保証された食料生産を実現できます。最近では,「アグロメディカルフーズ」(大豆,トマトなど)も話題となっているように,機能性成分を含むことが証明された農作物の品質保証も重要です。

そこで私の研究では,植物や農産物,食品のような複雑体を対象に,主に「光」を使って非破壊的に品質を測る研究に取り組んでいます。スペクトルや画像を中心とした光学データを計測し,スペクトルの解析や多変量解析,画像解析を駆使して,成分量・熟度・硬さといった様々な品質情報を観測するような研究内容です。

研究分野・テーマ
「光」のうち,私たちの目に見えているのは,波長400~700nmのほんの一部にすぎません。私の研究では,目に見えない光もうまく使うことで,農産物や食品の情報を測っています。
私自身の研究では大豆およびその加工品を主に測っていますが,手法で切り分けると,主に3つの軸で研究に取り組んでいます。大豆関連以外にも,たくさんの対象物を測ってきました。

1.”ミクロな世界”を測る:「散乱」を利用した食品の物理的特性の評価
水蒸気の集まりである雲が白く見えたり,牛乳や豆乳が白く濁って見えるのは,無数の粒子が光の進む方向をランダムに変えることが原因で起こります。これは光の「散乱」として広く知られており,数µmスケールの非常にミクロな世界が観測される現象です。私の研究で一番長く取り組んでいるテーマであり,とても探求しがいのある内容です。
例えば,牛乳や豆乳は光を強く散乱する「コロイド」として有名で,これらから作られるチーズやヨーグルト・豆腐では,実は散乱はさらに強くなり,より真っ白く見えます。豆腐が固まる過程でレーザーを使って光の散乱を測ると,固まっていく過程で散乱がどんどん大きくなっていくのを観測することができます。これはつまり,コロイド粒子が集まってミクロな構造を作る過程が観測されています。
また,別の研究では,リンゴを対象として表面の散乱を測ることで,内部の硬さを推定する研究にも関わっています。これも,リンゴのミクロな組織が光を散乱している結果が見えています。

2.”目に見えない変化”を可視化する:「蛍光」を利用した農畜水産物の品質計測
短い波長の光を当てた時に長い波長で光る,「蛍光」という現象があります。いわゆる「ブラックライト」で知られる紫外線を当てると,青や緑,赤色などで光るような現象のことで,蛍光する物質にはいろいろな種類があります。この現象を使うと,農産物に含まれる蛍光物質の種類や量などに紐づけた品質評価を行うことができます。これまでに下記のような研究に取り組んできました。
・エクストラバージンオリーブオイルの異種混入判別:オリーブオイル中の脂質酸化物やクロロフィルの蛍光を利用して,純度100%のエクストラバージンオイルと,低品質のオリーブオイルが混入したものを判別する研究です。
・イチゴの棚持ちの予測:すぐに腐敗するイチゴの部位がは青白く蛍光することを利用して,「すぐに腐敗するイチゴ」を可視化して見つけ出す研究です。
・お茶や大豆の化学成分量の推定:緑茶の中には機能性成分であるカテキンや,緑色素のクロロフィルが含まれており,これらは蛍光します。お茶の蛍光特性を利用して,カテキンなどの成分量を推定する研究にも取り組んでいます。大豆中のアミノ酸やイソフラボンなども同様のアプローチで取り組んでいます。

3.大量のデータから重要な情報を取り出す解析:スペクトル解析,機械学習・深層学習
蛍光や散乱といった光学応答は,スペクトルという波長ごとの応答,あるいは画像として観測されます。これらデータから対象物の情報を取り出すためには,解析が必要であることがほとんどです。例えば,スペクトルデータから最も重要な波長見つけ出すためのスペクトル解析であったり,画像データの中で最も重要な色や特徴を見つけ出すための画像解析などです。時には,機械学習や深層学習などのテクニックも扱い,精度の向上を目指す場合もあります。例として,下記のような事例に取り組んだことがあります。
・近赤外光の反射画像と深層学習を組み合わせた,ジャガイモの外部欠陥の分類
・蛍光スペクトルデータと機械学習・深層学習を組み合わせた,柑橘の糖酸度推定

このように,「対象物×計測手法×解析手法」の掛け合わせでどんどん可能性の広がる研究テーマを扱っています。
研究業績・略歴
アルバム
  • 豆腐の硬さを非破壊で推定する光散乱測定装置
    豆腐の硬さを非破壊で推定する光散乱測定装置
  • 農作放棄地を大豆畑にするための耕うん作業風景
    農作放棄地を大豆畑にするための耕うん作業風景
  • ジャガイモの外部欠陥分類における判断根拠の可視化例
    ジャガイモの外部欠陥分類における判断根拠の可視化例
リンク

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