グリーティング
生き物には寿命があります。しかし、生き物の設計図である遺伝情報は親から子へと脈々と受け継がれていきます。そんな遺伝原理の普遍性と多様性、さらには交雑や進化による変化を、植物、特にコムギとその近縁野生種を使って科学する研究分野です。コムギ育種への貢献も念頭に、異質倍数性進化とそれを駆動する生殖形質、雑種形成、ゲノム間相互作用などの機構を遺伝学的観点から研究を行います。
研究分野・テーマ
コムギとその近縁種、倍数性進化に関わる遺伝学的な研究について、多様な研究を展開します。
1. コムギ種間雑種生育異常の原因遺伝子同定と分子機構解明
コムギ種間雑種では、様々な種類の生育異常がしばしばみられます。雑種生育異常は種分化の原動力となる一方で、野生種の育種利用を妨げます。雑種生育異常の原因遺伝子や分子機構を解明することで、ムギ類の種分化のより良い理解と、より効率的な野生種育種利用を目指します。
2. 倍数体化後のゲノム安定性を決定する分子機構の解明
ムギ類では、交雑の組み合わせによって染色体への変異の入り方に違いがあることが古くから知られています。この詳細な分子機構の解明を次世代シークエンシング解析を用いて行なっています。
3. 合成倍数体を用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)による有用遺伝子探索
コムギのような倍数体では野生種の有用遺伝子が導入されても期待通りの形質が現れないことが多くあります。倍数体でも同じパフォーマンスをする遺伝子を探索し、カタログ化することで、育種の効率化に貢献できると考え、合成倍数体の作出とGWASを含む遺伝解析に取り組んでいます。
研究業績・略歴
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